「AIが自社をどう説明しているか、調べてみたい」。そう思っても、事業やサービスがいくつもあると、何から始めるか迷いますよね。会社全体、主力商品、新規事業、地域ごとの案内。最初から全部を一度に調べるよりも、まずはお客さまの判断に関わる一つの対象を選んでみましょう。
この記事では、経営・広報・WEB担当者が、AIへの質問を作る前に調べる対象を選ぶ手順を紹介します。設備点検と体験講座を提供する架空の会社を例に、優先順位を付け、担当者へ渡す短いメモまで作ってみます。自社に当てはめる際は、事業の事情に合わせて調整してください。診断サービスの標準仕様や、すべての会社に共通する採点表ではありません。

例:設備点検と体験講座なら、どちらを先に見る?
ここからは、対象の選び方を説明するための架空の例です。実在する会社の相談内容や、実際のAI検索の結果ではありません。二つのサービスがある会社で、どう範囲を決めるかを考えてみましょう。
ある会社が、企業向けの設備点検と、個人向けの体験講座を提供しているとします。設備点検は対応地域を変更したばかりで、営業窓口の案内もそろえたい状況です。一方、体験講座は内容を見直している途中で、開催条件はまだ決まっていません。どちらも大切ですが、今確認できることには違いがあります。
この会社なら、設備点検の対応地域とサービス内容から始められます。地域を変更した直後なので、営業窓口が案内している内容と、AIの回答を読み比べる目的がはっきりしているためです。体験講座も気になりますが、開催条件が決まっていない段階では、今の回答が正しいか答え合わせできない部分が残ります。
ただし、体験講座をいつも後回しにするという意味ではありません。募集前の案内を急いで整える必要があれば、講座担当とWEB担当でページ作りを先に進める方法もあります。今回は設備点検の説明を調べ、講座は開催条件を決める準備をする。それぞれの担当が今できる作業に分けてみましょう。

会社の紹介と、サービスの説明は別々に見る
先ほどの会社で「どんな企業ですか」と聞く場合と、「この地域で設備点検を頼めますか」と聞く場合では、必要な答えが違います。会社の成り立ちが合っていても、点検の対応地域まで合っているとは限りません。今回は地域変更後の案内を見たいので、会社全体の紹介より、設備点検の提供条件を調べることにします。
会社名、ブランド名、個別のサービス名を並べ、今回調べたいものに丸を付けてみてください。ブランド名が複数あっても、同じお客さまに同じ条件で提供する一体のサービスなら、まとめて調べる方法を相談できます。一方、お客さまや提供範囲が違うなら、名前が似ていても別にした方が、後から結果を読み取りやすくなります。
分け方に迷ったら、社内の組織図よりも、お客さまが何を探しているかを考えます。同じ部署が担当していても、お客さまが別の目的で探すサービスなら、質問する場面も変わるはずです。「担当が同じだから」という理由だけで一つにまとめず、選ぶ人の立場から見直してみましょう。
「なぜ今、そのサービスを見るのか」を決める
設備点検を先に選ぶ理由は、「対応地域を変更したので、今の案内が伝わるか知りたい」です。ほかにも、新しいお客さまへ紹介したい事業や、受付で質問が多いサービスを選ぶ方法があります。売上の大きさだけで順番を決めなくても構いません。「この案内を確かめたい」と一言で言える対象なら、調べる項目を決めやすくなります。
例えば、これから問い合わせを増やしたい事業なら、対象のお客さまや提供範囲がどう説明されているかを確かめる意味があります。ただし、調べる前から「新サービスだからAIに知られていない」と決めつける必要はありません。先に調べたい理由は事業の事情です。AIが実際にどう答えるかは、その後に確認することです。
営業担当からお客さまの質問を聞けたら、その言葉を対象選びに生かせます。まだ実際の声がなければ、「対応地域が正しく伝わるか、これから確かめたい」という想定から始められます。メモには「お客さまから届いた質問」か「社内で考えた利用場面」かを添えておくと、読む人にも背景が伝わります。
説明が違うと、何に困るかを具体的にする
設備点検なら、「対応していない地域から相談が来ると、受付で案内し直すことになる」と考えられます。別の商品なら、販売店と提供元を取り違え、違う窓口に申し込む場面かもしれません。「評判が下がりそう」と広く考えるより、お客さまがどこで迷いそうかを一つ挙げる方が、調べる質問を作りやすくなります。
この段階では、まだ起きていない行き違いを想定しても大丈夫です。例えばメモに「確認したい点:対象地域外でも依頼できると読まれないか」と書けます。実際の相談記録がないなら、件数や損失額は記入せず、想定だと分かる形にします。重要度を数字で決め切れなくても、どの案内を見直したいかは話し合えます。
地域の境界が曖昧なら、事業担当へ「この市は今の受付対象ですか」と聞いてみましょう。料金なら適用条件を知る担当へ、契約先なら営業や管理部門へ尋ねます。メモに担当者名や部署を添えておけば、AIの回答を見た後に迷ったときも、誰へ戻ればよいか分かります。調査前にすべて自分で決める必要はありません。
正しい情報と照らし合わせられるかも確認する
設備点検の担当者から今の対象地域を聞いたら、サービスページにも同じ範囲が書かれているか見てみます。会社概要にある古い案内と食い違っていれば、どちらが現在の条件なのかを先にそろえたいところです。AIの回答を読むときには、その公式ページのURLを手元に置きます。比べる相手が決まっていると、地域名の抜けなどを見つけやすくなります。
公式情報が足りないからといって、そのサービスを必ず後回しにする必要はありません。提供範囲が曖昧なら、公式案内を整理しながら、調査について相談する進め方もあります。その場合は「正しさを判断するための情報を確認中」と残しておきましょう。答え合わせができていないのに、AIの回答だけを正解・不正解と決めないことが大切です。
誰が内容を確認できるかも考えておきます。複数の言語や専門分野を扱うなら、その意味を確認できる人や資料が必要です。担当者が判断できない分野も調べる場合は、結果を誰に見てもらうかを先に相談しましょう。調べる件数を増やしても、内容を確かめられなければ、その分だけ分かったことが増えるわけではありません。

今回調べることと、後で調べることを一枚にまとめる
ここまで考えたことを、六つの項目にまとめます。「対象名」「お客さまが探す場面」「先に見る理由」「照合する公式情報」「今回は調べない範囲」「確認先」です。長い企画書にする必要はなく、担当者が同じ対象を思い浮かべられる短さで十分です。以下は任意の引継ぎ例で、申込みに必須の書式ではありません。
先ほどの例なら「設備点検/地域内で依頼先を探す企業/地域変更後の案内を確かめたい/現在のサービスページ/体験講座は今回は除く/地域条件は事業担当へ確認」と書けます。短いメモでも、何を調べたいのかが分かります。AIへの質問文を細かく考える前に、この内容を担当者同士で見ておくと、対象の取り違えを防ぎやすくなります。
途中で調べるサービスを増やすときは、追加した目的と条件も残しましょう。最初から同じ範囲を調べていたように見えると、調査前後の結果を比べる際に困ります。対象が決まったら、お客さまの条件と自社が期待する答えを混ぜず、一つの利用場面に合う質問を考えます。「どんな答えがほしいか」より「何を確かめたいか」を意識してみてください。
見送った体験講座には、「開催条件が決まり、公式ページを更新したら再検討する」と添えます。「次回」だけより、見直すきっかけがはっきりします。講座の担当者にその条件でよいか聞いておけば、点検の調査が終わるまで待つべきか、先に準備できることがあるかも話しやすくなります。
範囲を絞っても、ほかの課題を忘れない
今回のメモができたら、次の打ち合わせでは設備点検について質問を一つ作ってみましょう。「対象地域内で点検を依頼したい企業」が知りたいことは、受付地域だけか、作業内容や相談先も必要か。営業や事業担当と話すと、調べたい説明がさらに具体的になります。会社全体を一度に調べなくても、一つのサービスについて次の作業へ進めます。
新しい講座の日程が決まったり、営業へ別の質問が届いたりしたら、次に見る対象を見直します。メモは、事業の変化に合わせて更新して使うものです。調べていないサービスまで「問題なし」にせず、何が未確認かを残しておけば、次の担当者も続きから始められます。具体的なSEOやAI検索の施策は、こうして目的が見えてから選んでいきましょう。
よくある質問
Q. 主力事業と新規事業で意見が割れたら、どう選びますか?
A. まず、それぞれについて「今回何を確かめ、その結果を何の判断に使うか」を一行ずつ書いてみましょう。新規事業を優先する場合も、主力事業を選ぶ場合も、事業名だけでなく理由を共有することが大切です。条件変更への対応など、今確認したい点が明確な対象から始め、見送った対象には再検討するきっかけを残します。
Q. 公式ページが古いサービスは、調べる対象から外すべきですか?
A. 必ず外す必要はありません。ただし、古いページをそのまま正しい答えとして使うと、AIの説明が合っているか判断しにくくなります。まず事業担当者に現在の条件を確かめ、公式ページの整理と調査の相談をどう進めるか決めましょう。条件が確認できるまでは、回答の正誤も未確認として扱います。
Q. 途中で別のサービスが気になったら、対象を増やしてもよいですか?
A. 追加を相談できます。その際は、追加する理由、公式情報、確認する担当者をそろえ、最初の対象とは区別して記録しましょう。依頼先がある場合は、作業範囲や費用への影響も確認してください。対象が増えた後の結果を、以前とまったく同じ条件で調べた結果として比べないようにします。